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投資戦略レポート

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2017年12月25日号

 膠着感の強い動きで、今は上に動くか下に動くかの分岐点

東京市場は高値圏で膠着色の強い動きとなっています。日経平均株価は先週、5営業日中、3営業日上昇、週間では349円(1.55%)の上昇となりましたが、23000円を前に一進一退の動きになっています。外国人が買ってこないことがこうした相場を現出していますが、その背後には米国株の調整リスクや中国景気の先行き懸念があるのではとみています。米国株は指標面では割安感がなく、税制改革などによる景気拡大期待が下支えしているため、トランプ政権の力が弱まり政治の停滞が意識されれば調整しかねない水準まで来ているように思います。中国は5年に1度の党大会が終わり、来年は成長率が低下すると云われています。許容範囲を超えて低下したらリスクオフになりかねない。いまはこんな状況ではないかとみています。

ただ日本株の先行きに対する強気な見方は崩れていないとみています。最大の理由は企業業績が予想以上に好調なこと。円高にならなければ来年度も一段の業績改善が期待でき、買いを呼び込むのではとみています。

日経平均はこの1カ月半で23000円突破かと思われたのが5回(11/9、12/1、12/11、12/12、12/19)ありました。12月に入っての4回はいずれも23000円近くまで上昇してから跳ね返される展開となっています。大きく上昇してきた株価が横ばった後は上に放れるか、下に放れるかしかありません。いまはその分岐点。23000円突破となれば相場は上、下に抜けたら調整局面入りとなるはずです。上に抜ける可能性が高いとみていますが、株価の動きを見て即、対応できるスタンスは必要でしょう。

 方向感が見えてくるまでは売られすぎた好決算銘柄などが狙い目 

22日の米国株は反落しました。NYダウは前日比28ドル(0.1%)安の24754ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同5㌽(0.1%)安の6959で取引を終えています。クリスマスの祝日を含む3連休前の週末とあって利益確定や持ち高調整の売りが出たようです。税制改革法が成立ましたが、法人税引き下げなどへの期待感から2カ月近くも上昇が続いていたため、成立を手がかりとした買いはあまり見られませんでした。半面、下値も堅いという動きでした。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比72円安の22830円で引けています。

外国人は12月第2週(11~15日)も日本株を売り越しました。売り越すのは5週連続で売越額は122億円。この間の売越額は1兆300億円近くに上ります。それまでの7週間で2兆5500億円超買い越していたので、利益確定売りを出したのでしょう。ただ企業業績が好調なことから売り越し基調に転じたとはみていません。売越額はそれまでの2000~3200億円から大きく縮小しており、そろそろ止まるのではとみています。

日経平均は21年ぶりの高値に進んだあと調整し、膠着感の強い動きとなっていますが、これまで指摘したように今回は値幅ではなく日柄の調整とみていますので、ここからの下値はそうないと考えています。企業業績が好調で下がったら買おうと思っている内外の投資家は多いとみられます。個人の待機資金も積み上がっています。調整が完了していないため、暫くは動きを見極めるときだと思いますが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目立ちました。相場の方向性が見えてくるまではそうした銘柄を狙うのがいいように思います。ただ前述のように相場が下に放れたときの対処法も忘れてはなりません。
なお次号は2018年1月15日号からとなります。

2017年12月18日号

 膠着感の強い動きに

東京市場は高値圏で膠着色の強い動きとなっています。日経平均株価は先週、4日続落し前週末比258円(1.13%)安の22553円で引けました。一時の不安感は後退しましたが、伸び切れません。外国人が買ってこないことが最大の理由ですが、その背後には米国株の調整リスクや中国景気の先行き懸念があるとみています。米国株は指標面での割安感がなく、税制改革などによる景気拡大期待が下支えしているため、トランプ政権の力が弱まり政治の停滞が意識されれば、調整しかねない水準まで来ているように思います。中国は5年に1度の共産党大会が終わり、来年は成長率が低下すると云われています。許容範囲を超えて低下したらリスクオフになりかねない。いまはこんな状況ではないかとみています。北朝鮮問題や中東情勢といった地政学リスクも重荷となっています。

ただ日本株の先行きに対する強気な見方は崩れていないとみています。最大の理由は企業業績が予想以上に好調なことです。円高にならなければ来年度も一段の業績改善が期待でき、買いを呼び込むのではとみています。欧米では景気拡大と緩やかな金融引き締めによる「適温相場」が続いており、これが日本株にもいい影響を与えそうなこと。また日銀のETF買いも需給面で支えとなりそうです。

 調整が終了するまでは売られすぎた好決算銘柄などが狙い目 

15日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比143ドル(0.6%)高の24651ドルと2日ぶりに過去最高値を更新したうえ、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同80㌽(1.1%)高6936で引け、約2週間半ぶりに最高値を更新しています。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新するなど主要3指数揃って最高値更新となっています。
与党・共和党が子供の税額控除の拡充を含めた修正案で合意したと伝わり、税制改革法案の成立を見越した買いが入りました。修正案は来週前半に上下両院で採決されます。法案が成立すれば現在35%の連邦法人税率は2018年から21%に下がるため、企業の利益拡大につながると期待されています。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比126円高の22680円で引けています。

外国人は12月第1週(4~8日)も日本株を売り越しました。売り越すのは4週連続で売越額は2168億円。それまでの7週間で2兆5500億円超買い越していたので、利益確定売りを出したのでしょう。これまでの動きから日本株を持たざるリスクからの買いは完全に一巡しました。ただ企業業績が好調なことから売り越し基調に転じたとはみていません。

日経平均は21年ぶりの高値に進んだあと調整し、膠着感の強い動きになっていますが、これまで指摘したように今回は値幅ではなく日柄の調整とみていますので、ここからの下値はそうないとみています。企業業績が好調でファンダメンタルズが良好なうえに、下がったら買おうと思っている内外の投資家も多いとみられます。個人の待機資金も積み上がっています。調整がまだ完了していないため、暫くは相場の動きを見極めるときだと思いますが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目立ちました。相場の方向性が見えてくるまではそうした銘柄を狙うのがいいように思います。

2017年12月11日号

 先安不安が一気に台頭し一気に後退

相場の動きが良くなってきました。14日に日経平均株価が445円安と今年最大の下げを記録し、チャート上のフシの25日移動平均線を割り込んだことで一気に先安不安が高まりましたが、7、8日の大幅高を受け、その懸念は一気に後退しました。日経平均が2日間で634円上昇し25日移動平均線の上方に抜けたほか、下げ局面でフシ目の22000円も割らなかったため、チャート上、2番底を形成した可能性が出てきたからです。25日線を回復したことで市場には安堵感が出ており、先高期待が広がってくるのではとみています。

調整には値幅のほかに日柄の調整があり、今回はこれになる可能性がより強まったように思いますと前週号で指摘しました。今回の件でその可能性はより高まったように思います。

 調整が終了するまでは売られすぎた好決算銘柄などが狙い目 

8日の米国株は上昇。NYダウは前日比117ドル(0.5%)高の24329ドルと過去最高値を4日ぶりに更新したうえ、ハイテク株比率の高いナスダック指数も3日続伸し、同27㌽(0.4%)高の6840で引けています。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数も11月30日に付けた過去最高値を6日ぶりに更新して引けています。
朝方発表された雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比22万8000人増と市場予想を上回ったほか、8日が期限となっていた連邦予算について上下両院が22日までのつなぎ予算を可決し、トランプ大統領が署名成立したことで、政府機関閉鎖の懸念が後退したことも買い安心感につながりました。これを受けたCMEの日経平均先物は22865円と日経平均終値比53円高で引けています。

外国人は11月第5週(27~12月1日)も日本株を売り越しました。売り越すのは3週連続で、売越額は1973億円。それまでの7週間で2兆5500億円超買い越していたので、利益を確定したのでしょう。これまでの動きから日本株を持たざるリスクからの買いは一巡したとみられます。ただ企業業績が好調なことから、売り越しに基調に転じるとはみていません。

日経平均は21年ぶりの高値に進んだあと調整局面入りしていますが、前述のように調整は最終局面に来ている可能性があります。企業業績が予想以上に好調でファンダメンタルズが良好なうえに、下がったら買おうと思っている内外の投資家が多いとみられます。個人の待機資金も積み上がっています。また下げた局面では日銀のETF買いも期待されます。暫くは相場の動きを見極めるときだと思いますが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目立ちました。相場の方向性が見えてくるまではそうした銘柄を狙うのがいいように思います。

2017年12月4日号

 日柄調整になる可能性が強まる 

 東京市場はまだ調整局面から脱し切っていませんが、動きは良くなってきたように思います。先週、日経平均株価は5営業日中3営業日で上昇、週間では269円(1.93%)の上昇となりました。高値を付けた後の最高値まで戻しています。終値は前日比94円高の22819円。11月15日の安値(22028円)からは791円(3.59%)の上昇となります。前週号でチャートからは15日の22028円で目先の底を入れた感じですが・・・と指摘しましたが、そのような動きとなっています。

 調整には値幅のほかに日柄の調整もあり、今回はこれになる可能性がより強まったように思います。企業業績が予想以上に好調でファンダメンタルズが良好なことに加え、下がったら買おうと思っている内外の投資家が多いとみられるからです。個人の待機資金も積み上がっています。ただ相場の変動幅が大きくなると日経平均先物に機械的な売りが出るアルゴリズム取引が続いていましたので、まだ楽観視するわけにはいきません。市場の先高観は強いものの、暫くは慎重なスタンスが必要だとみています。 

 調整が終了するまでは売られすぎた好決算銘柄などが狙い目 

 1日の米国株は反落しました。NYダウは前日比40ドル(0.2%)安の24231ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同26㌽(0.4%)安の6847で取引を終えています。フリン前大統領補佐官がロシア高官との接触についてFRBに虚偽の供述をした罪で訴追されたことが響きました。メディアによるとフリン氏はトランプ氏に直接指示されたと証言する可能性があると報じており、大統領による司法妨害などに発展する可能性が意識され、ダウ平均は一時350ドル安まで急落する場面もありました。ただ税制改革実現への期待が相場を支え、引けにかけては下げ渋る展開。これを受けたCMEの日経平均先物は22660円と日経平均終値比159円安で引けています。

 外国人は11月第4週(20~24日)も連続で日本株を売り越しました。売越額は2819億円。それまでの7週間で2兆5500億円超買い越していたので、利益を確定したのでしょう。この動きから日本株を持たざるリスクからの買いは一巡したとみられます。ただ好調な企業業績から、売り越しに基調に転じるとはみていません。

 日経平均は21年ぶりの高値に進んだあと調整局面入りしていますが、企業決算が予想以上に好調なことから、調整は大きなものにはならないとみています。今回の上昇相場に乗れなかった内外の投資家は多く、個人の待機資金も潤沢です。また下げた局面では日銀のETF買いも期待されます。当面は相場の動きを見極めるときだと思いますが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目立ちました。相場の方向性が見えてくるまでは、そうした銘柄を狙うのが最もいいように思います。

2017年11月27日号

 今回は値幅ではなく日柄調整になる可能性も

東京市場は調整局面入りしてきました。ザラ場で1992年1月以来となる23382円まで上昇した後、一時乱高下しましたが、落ち着きは取り戻したようです。日経平均株価は先週、4営業日中3営業日で上昇、週間では154円(0.69%)の上昇となりました。チャートからは15日の22028円で目先の底を入れた感じですが、高値からの下落幅は909円(3.96%)であり、値幅的な調整が済んだとはまだ言えません。
ただ調整には値幅のほかに日柄の調整もあり、今回はこれになる可能性もあります。企業業績が予想以上に好調でファンダメンタルズが良好なことに加え、下がったら買おうと思っている内外の投資家が多いとみられるからです。個人の待機資金も積み上がっています。ただ相場の変動幅が大きくなると日経平均先物に機械的な売りが出るアルゴリズム取引が続いていましたので、まだ楽観視するわけにはいきません。市場の先高観は強いものの、暫くは慎重なスタンスが必要でしょう。

 売られすぎた好決算銘柄などが狙い目

24日の米国株は上昇しました。NYダウは22日比31ドル(0.1%)高の23557ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同21㌽(0.3%)高の6889と3日続けて過去最高値を更新しています。機関投資家の多くが運用指標とするS&P500種指数も最高値を更新し、終値で初めて2600を上回って引けています。感謝祭の23日から始まった年末商戦が好調と伝わり、投資家心理が改善しました。原油高でシェブロンなど石油株が上げたのも相場を支えました。これを受けたCMEの日経平均先物は22650円と日経平均終値比99円高で引けています。
外国人は11月第3週(13~17日)に7週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は3211億円。それまでの7週間で2兆5500億円超買い越していましたので、利益を確定したのでしょう。これにより持たざるスクからの日本株買いは一巡したとみられますが、好調な企業業績から、売り越しに転じるとはみていません。
日経平均は21年ぶりの高値に進んだ後、調整局面入りしていますが、企業決算が予想以上に好調なことから、調整は大きなものにはならないとみています。今回の上昇相場に乗れなかった内外の投資家は多く、個人の待機資金も潤沢です。下げた局面では日銀のETF買いも期待されます。当面は相場の動きを見極めるときだと思いますが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目立ちましたので、そうした銘柄を狙うのが最もいいように思います。

2017年11月20日号

 振れ幅の大きい動きに

東京市場は値動きの荒い動きになっています。1996年6月に付けたバブル崩壊後の高値(22666円)を21年ぶりに上回った後は一転、振れ幅の大きい動きになっています。9日は日経平均の日中値幅が859円と今年最大になりましたが、17日は438円と今年3番目の大きさとなりました。朝方は前日比406円高まであったものの、直後に売りが膨らみ、一時32円安まで下げ、引けは45円高。凄い乱高下となっていますが、背後には予想変動率が高まると機械的に売りを出す短期筋の存在があります。
相場の予想変動率を示す日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)が上昇すると日経平均先物に機械的な売りが9日も出ていました。プログラム取引を駆使する商品投資顧問などが主体とみられますが、同じ動きが繰り返されたことで、目先は株価が大きく動いて日経平均VIが上向くと売りが膨らむ可能性があります。市場の先高観はなお強いものの、暫くは振れ幅の大きい展開が続きそうです。

 売られすぎた好決算銘柄などが狙い目

10日の米国株は下落しました。NYダウは前日比100ドル(0.4%)安の23358ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同10.5㌽(0.2%)安の6782で引けています。前日に大きく上げた反動で目先の利益を確定する売りが優勢となりました。上下両院で税制改革法案の一本化が困難との見方も買い手控えにつながったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比81円安の22315円で引けています。
外国人は11月第2週(6~10日)も日本株を買い越しました。買い越すのは7週連続ですが、買越額は670億円と前週(528億円)に続いて低水準(前々週は6703億円、その前は4452億円)。それまでの5週間で2兆4340億円超買い越していましたので、日本株を持たざるリスクからの買いは峠を越したとみられます。ただ好調な企業業績から売り越しに転じるとはみていません。
日経平均は21年ぶりの高値に進んだ後、振れ幅の大きい動きになっています。相場の転換点でよく見られる動きですが、企業決算が予想以上に好調なことから、調整があったとしても大きなものにはならないとみています。今回の上昇相場に乗れなかった内外の投資家は多く、個人の待機資金も潤沢です。下げた局面ではそうした買いや日銀のETF買いも期待されます。当面は相場の動きを見極めるときだと思いますが、今回の決算発表では好決算ながら大きく売られた銘柄も目立ちました。そうした売られすぎ銘柄を狙うのが今は最もいいように思います。

2017年11月13日号

 高値波乱の動きに

東京市場は高値波乱の動きとなってきました。先週、日経平均株価は1996年6月に付けたバブル崩壊後の高値(22666円)を21年ぶりに上回った後、9日には取引時間中に23382円まで上昇。ザラバで23000円台を上回るのは1992年1月以来、約26年ぶりで、1989年12月に付けた史上最高値(38915円)からバブル崩壊後の最安値(2009年7月の7054円)までの下げ幅の「半値戻し」となる22985円を上回る場面がありました。調整局面の終わりを示唆する水準として意識されており、終値でもそれを維持できたら新たな強材料となったはずですが、意外にも相場はそこから急落。高値から860円安の22522円まで急落した後、下げ幅を縮小する乱高下の展開となりました。10日終値は前日比187円安の22681円で週間では142円(0.63%)の上昇となっています。
好調な企業業績を背景に市場では先行きを強気に見る投資家が多いものの、2カ月に亘って一本調子で上げてきただけに、調整局面入りする恐れが出てきたように思います。9月11日以降の上昇幅は3663円(19%)、ザラ場ベースでは4143円(21.5%)にもなります。当面は動きを見極めた方がいいように思います。

 今は動きを見極める局面がだ、当面は決算プレーで

10日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは小幅に続落し、前日比39ドル(0.2%)安の3422ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は小反発し、同0.89㌽(0.0%)高の6750で取引を終えています。上下院で税制改革の審議が難航するとの警戒感が響きました。ただ終盤を迎えた主要企業の決算発表は総じて良好で、下落幅は限定的でした。NYダウが週間で下落するのは9週ぶりのことです。これを受けたCMEの日経平均先物は22460円と日経平均終値比221円安で引けています。
外国人は11月第1週(10/30~11/2)も日本株を買い越しました。買い越すのは6週連続ですが、買越額は528億円とそれまでより大きく減少しています(前週は6703億円、前々週は4452億円)。それまでの5週間で2兆4340億円超買い越していましたので、日本株を持たざるリスクからの買いは峠を越した可能性があります。ただ好調な企業業績から売り越しに転じるとはみていません。
日経平均は26年ぶりの高値に進んできた後、高値波乱の動きとなっています。記録的な上昇が続いた後だけに調整局面入りする可能性もありますが、決算発表が予想以上に好調なことから、調整があったとしても大きなものにはならないとみています。今回の上昇相場に乗れなかった内外の投資家は多く、個人の待機資金も潤沢です。下げた局面ではそうした買いや日銀のETF買いも期待されます。
いまは相場の動きを見極めるときだと思いますが、14日までは決算発表が続きますので、決算プレーでいいとみています。

2017年10月30日号

当面は慎重なスタンスが必要

先週、日経平均株価は1996年7月以来、21年3カ月ぶりに22000円台に乗せました。終値は前日比268円高の22008円。史上最長となる16連騰を記録したあと1日下落し、2日上昇する強い動きとなっています。週間では7週連続の上昇となっています。今回の上昇は9月11日から始まりましたが、その間の上昇幅は2734円(14.2%)にもなります。
売り方の買い戻しから始まった相場でしたが、上昇に転じた翌週は総選挙モードに入り一気に上昇、その後、強弱感が対立した形になっていましたが、10月に入ってあれよあれよという間に連騰記録を更新、一気に21年ぶりの高値に進んだ形となっています。高値に進んだことで市場心理は好転、物色意欲は旺盛になっていますが、不思議なことに高揚感は全く感じられません。また物色面にも方向性はみられません。買い戻し主導で上げてきたせいです。ここへ来て売買代金が3兆円を超える日も出てきましたが、活況と云えるようなレベルではありません。
高値警戒感が出ているなか、上場企業の決算発表を控え、いまは動きづらい局面です。そうした中で上値を追う動きとなっているのは、相場上昇に乗り遅れまいとして海外勢がペイントレード覚悟で買ってきた可能性もあります。相場はいつ調整してもおかしくない水準にありますので、当面は慎重なスタンスが必要ではないかとみています。

好決算銘柄が狙い目も、予想ほど悪くない決算を発表した銘柄にも注目すべき

27日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比33ドル(0.1%)高の23434ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同144㌽(2.2%)高の6701と1週間ぶりに過去最高値を更新して引けています。NYダウも過去最高値からわずか7ドル下の水準であり堅調な動きは変わっていません。好調な決算を背景にマイクロソフトやインテルが相場を押し上げたうえ、7~9月期の実質GDP速報値が前期比3.0%増と市場予想を上回ったため、相場の支援材料となりました。ただダウ平均は下落する場面もあり、上値は重くなっています。これを受けたCMEの日経平均先物は22035円と日経平均終値比26円高で引けています。
外国人は10月第3週(16~20日)も日本株を買い越しました。買い越すのは4週連続で、買越額は4452億円と前週(4593億円)に続いて大規模なものになっています。4週間の累計買越額は1兆7640億円に達しています。それまで9週連続で売り越していましたので、日本株買いに転じた公算大です。ただ日本株上昇に乗り遅れまいとして買ってきた可能性もありますので、今後も大規模な買い越しが続くかは不明。とはいえ日本株には朗報です。
日経平均は21年ぶりの高値に進んできましたが、相場の見通しは難しくなっています。地合いは良くなっていますが、急ピッチな上昇に対する警戒感がある中、決算発表が始まるからです。決算発表は今週から本格化しますので、ここは動くときだとみています。好決算銘柄が狙い目となりますが、相場は業績が好調だろうと見越して上がっている面も多分にありますので、その見極めは非常に重要となります。今の経済環境からは減益予想の会社は多くないと思いますが、相場がいいだろうということを前提に形成されていますので、予想ほど悪くない決算を発表した銘柄にも目を向ける必要があります。
なお次週11月6日号はお休みします。

2017年10月23日号

連続上昇日数が過去最長記録に並ぶ

先週、日経平均株価は14日続伸し連日の年初来高値更新となりました。14日続伸は1960年12月~61年1月以来、約57年ぶり。これは過去1回だけ記録した連続上昇の最長日数で、今回その記録に並んだことになります。市場の雰囲気は良くなっていたものの、上値は重く強弱感が対立した形になっていましたが、10月に入って一気に上昇する形になっています。売り方の買い戻しに加え、日本株の上昇に乗り遅れた海外勢からのニューマネーが相場を押し上げています。総選挙や上場企業の中間決算発表を前に動きにくい状況下ですが、そうした中での年初来高値更新となっています。
前回の14連騰では日経平均は1287円→1403円まで9.0%上昇しましたが、今回は5.4%(19274円→21457円)にとどまっており、高揚感は感じられません。東証1部の売買代金も活況の目安となる2兆円は上回っていますが、活況と云えるレベルではありません。
高値に進んだことで市場心理は好転し物色意欲は旺盛になっていますが、不思議なことに物色面には方向性はみられません。買い戻し主導で上げてきたせいです。意外な強さではありますが、先行きは読みにくくなったように思います。直近安値を付けた9月7日(19274円)から2180円超(11.3%)上昇しており高値警戒感が出ていますので、暫くは慎重なスタンスが必要ではないかとみています。

決算発表までは様子見で

20日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比165ドル(07%)高の23328ドルと5日続けて過去最高値を更新、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同23㌽(0.4%)高の6629と2日ぶりに過去最高値を更新しています。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数も6日続伸、主要3指数がそろって最高値を更新しています。
前夜、上院で2018年度の予算決議案が可決したことで、法人減税を含む税制改革の実現期待が高まり、企業業績が押し上げられるとの見方から幅広い銘柄が買われました。NYダウは寄り付きから上げ幅を広げ、ほぼこの日の高値で引けています。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比92円高の21550円で引けています。
外国人は10月第2週(10~13日)も日本株を買い越しました。買越額は4593億円と前週(6575億円)に続いて大規模なものになっています。それまでは9週連続で売り越していましたので、日本株買いに転じた可能性が強まってきました。ただ日本株上昇に乗り遅れまいとして買ってきた可能性もありますので、決算発表直前もこうした動きが続くかは不明。とはいえ日本株には朗報です。
日経平均は1996年10月以来となる21年ぶりの高値に進んできましたが、ここからの見通しは難しくなっています。地合いは良くなっていますが、急ピッチな上昇に対する警戒感に加え、決算発表を控えているからです。衆院選では与党が勝ちそうな情勢になっていますが、相場はすでにそれを織り込んでいまるはずです。どの程度の勝利になるか分かりませんし、今週後半からは7~9月期決算発表も始まります。決算発表までは様子見でいいのではとみています。

2017年10月16日号

ほぼ21年ぶりの高値に

先週、日経平均株価は4日続伸し連日で年初来高値を更新しました。続伸は9日連続となり、終値は21155円とほぼ21年ぶりに21000円台を回復して引けています。総選挙モード入りし市場の雰囲気は良くなっていますが、上値は重く強弱感が対立した形になっていました。こうしたなか週間で465円(2.24%)高し、一段高に進んだわけです。9月8日の直近安値からは1881円(9.75%)の上昇となります。

前日比200円(0.95%)高となった13日は後場から突如として急伸する動きでした。詳細は分かりませんが、日本株に弱気だった海外勢が引き金を引いたのではといわれています。空売り比率が40%を超える異常な状態(ピークは9/5の45.2%)が続いていたので、色々なところで売りがたまっていたのでしょう。その買い戻しで裁定買いから指数が上昇する動きになっていました。株価指数先物(期近物)の裁定買い残は9月15日で終わる週に3278億円、22日で終わる週に3577億円、28日で終わる週に4135億円、合計1兆990億増加していました。こうした中、22日投開票の衆院選で与党優勢との情勢調査が相次いだため、海外勢がついに白旗を上げ、損失覚悟の買い戻しに動いたことが国内の弱気派にも飛び火し、下がれば利益が出る「ベア型」ETFの持ち高を積み上げていた個人投資家や地銀などが、一斉に持ち高解消に動いた結果ではないかと云われています。

日経平均が高値に進んだことで市場心理は好転、物色意欲は旺盛になっていますが、物色面には方向性はみられません。買い戻し主導で上げてきたためです。意外な強さではありますが、ここからの見通しは読みにくくなったように思います。

 決算発表までは様子見が賢明

13日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比30ドル(0.1%)高の22871ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同14㌽(0.2%)高の6605と2日ぶりに過去最高値を更新しています。中国の輸出増を示す経済指標を受け、世界経済に対する楽観的な見方が広がり、ハイテク株や素材株など景気動向に左右されやすい銘柄を中心に買いが優勢となりました。ただ高値警戒感は強く、上値の重い動きでした。NYダウも過去最高値まであと1㌦ちょっとの水準にあります。これを受けたCMEの日経平均先物は21225円と日経平均終値比69円高で引けています。

外国人は10月第1週(2~6日)も日本株を6575億円買い越しました。買い越しは2週連続で今年最大となっています。それまでは9週連続で売り越していました。第2週(10~13日)も買いは続いており、本格的な買い戻しに転じた可能性があります。期待したいところです。

日経平均はほぼ21年ぶりの高値に進んできましたが、ここからの見通しは難しくなっています。地合いは良くなっていますが、急ピッチな上昇への警戒感に加え、衆院選も迫っています。衆院選では与党が勝ちそうな情勢になっていますが、近々に7~9月期決算発表が始まります。それまでは様子見でいいのではとみています。

2017年10月10日号

先行きは読みにくくなる

先週、日経平均株価は5日続伸し連日で年初来高値を更新しました。終値は20690円と2015年8月以来、2年2ヵ月ぶりの水準まで上昇しています。総選挙モード入りし市場の雰囲気はガラッと変わって来ましたが、上値は重く強弱感が対立した形になっています。9月8日の直近安値から1416円(7.3%)も上昇した後だけに当然の動きですが、急伸の主因が売り方の買い戻しだっただけに、買い戻しが一巡した結果とも考えられます。
空売り比率が40%を超える異常な状態(ピークは9/5の45.2%)が続いていたので、色々なところで売りがたまっていたのでしょう。その買い戻しで先物が高くなり裁定買いから指数が上昇する動きになっていました。株価指数先物(期近物)の裁定買い残は9月15日で終わる週に3278億円、22日で終わる週に3577億円、28日で終わる週に4135億円増加、合計1兆990億円増となっています。高値に進んだことで市場心理が好転、物色意欲は旺盛になっていますが、物色面には方向性はみられません。買い戻し主導で上げてきたためです。意外な強さともいえますが、ここからの展開は読みにくくなったように思います。

 2大イベントを前に動きづらい状況に

6日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは8日ぶりに小反落し前日比1ドル安の22773ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は9日続伸し、同4㌽(0.1%)高の6590と6日連続で過去最高値で引けています。朝方発表された雇用統計(9月)で非農業部門の雇用者数が前月比3万3000人減と市場予想(8万人程度の増加)に反して減少したものの、南部を襲ったハリケーンによる一時的な影響と受け取られたようです。半面、失業率は4.2%に低下し平均時給が前年同月比2.9%上昇と市場予想(2.6%上昇)を上回ったため、12月の利上げ観測がさらに強まり、相場の重荷となったようです。NYダウが4日連続で最高値を更新していたため利益確定売りも出やすかったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は20650円と日経平均終値比40円安で引けています。
外国人は9月第4週(25~29日)に日本株を10週ぶりに買い越しました。買越額は2017億円とそこそこのの規模です。過去9週間で1兆6250億円売り越しており、第3週の売越額が611億円とその前の週(4172億円)から大きく減少していたことを考えると、日本株売りは一巡した可能性が出てきました。それまでは北朝鮮リスクから有事に備えた売りが続いていました。
日経平均は年初来高値まで進んできましたが、ここからの見通しは読みにくくなっています。急ピッチな上昇への警戒感に加え、衆院選が控えているからです。今月下旬から7~9月期決算発表も始まります。2大イベントを前に暫くは動きづらい展開となりそうです。相場や物色面に方向性が出てくるまでは様子見でいいのではとみています。

2017年10月2日号

先行きは不透明に

総選挙モード入りし市場の雰囲気はガラッと変わって来ましたが、日経平均株価は年初来高値を付けた9月25日以降、上値の重い動き変わっています。2週間で1120円(5.8%)超も上昇した後だけに当然といえば当然の動きですが、急伸の主因が売り方の買い戻しだっただけに、買い戻しが一巡した結果とも考えられます。
空売り比率が40%を終える異常な状態(ピークは9/5の45.2%)が続いていたので、色々なところで売りがたまっていたのでしょう。その買い戻しで先物が高くなり裁定買いから指数が上がる動きになっていました。株価指数先物(期近物)の裁定買い残高をみると9月15日が1兆6571億円(前週比3278億円増)、22日が2兆154億円(同3577億円増)となっています。高値に進んだことで市場心理が好転し物色意欲は旺盛になっていますが、物色面には方向性がみられません。買い戻し主導で上げてきたせいです。ただまだ調整局面入りしてはいません。意外な強さともいえますが、先行きは相当読みにくくなったように思います。

 2大イベントを前に市場は動きづらい展開に

29日の米国株は上昇しました。NYダウは小幅反発し前日比23ドル(0.1%)高の22405ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同42㌽(0.7%)高の6495で引けています。利益確定売りに押される場面が目立ったものの、引けにかけて10年物の国債利回りが上昇したのを受けて利ざや拡大期待から金融株が買われ、相場を押し上げました。NYダウは20日に付けた最高値にあと7ドルとなっています。これを受けたCMEの日経平均先物は20360円と日経平均終値比3円高で引けています。
外国人は9月第3週(19~22日)も日本株を売り越しました。売り越すのは9週連続でこの間の売越額は1兆6250億円に達します。8月9日に北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射を計画していると伝わって以降、有事に備えた日本株売りが続いているようです。ただ第3週の売越額は611億円とその前の週(4172億円)からは大きく減少しています。売りが一巡しつつあるかはもう少し様子を見なければわかりませんが、いい傾向です。
一方、先物では大幅な買い越しとなっています。日経平均ラージとミニ、TOPIX先物合計の買越額は9/15で終わる週が1兆2266億円、9/22で終わる週が9066億円に達しています。これが裁定買いを通じで日経平均を押し上げたわけです。ただ先物の買い戻しは株価の動きから見ても一巡したのではないかとみています。
日経平均は高値まで進んできましたが、ここからの見通しは読めにくくなっています。急ピッチな上昇への警戒感に加え、衆院選が波乱含みの展開になりそうな状況になったからです。あと2週間したら7~9月期決算発表も始まります。この2大イベントを前に市場は動きづらい展開となりそうです。相場や物色面に方向性が出てくるまでは休むも相場でいいのではとみています。

2017年9月25日号

物色の方向性は読めず

この2週間で市場の雰囲気はガラッと変わって来ました。日経平均株価はあっという間に年初来高値を更新、それまでの動きは何だったんだという雰囲気になっています。直近安値をつけた9月8日(19274円)から21日までの上昇幅は1073円(5.56%)に達し、2015年8月以来、2年1カ月ぶりの高値となっています。北朝鮮リスクがやや和らいだことで買い戻しが活発になった中、にわかに衆院解散・総選挙が浮上し市場が総選挙モードになったのが主因です。
空売り比率が40%を終える異常な状態(ピークは9/5の45.2%)が続いていたので、売り方の買い戻しで上げていました。21日は大きく売り込まれていた不動産株まで上昇する動きとなっていました。15日現在の裁定買い残は1兆7035億円と前の週から3293億円も増加していました。増加幅は約4カ月ぶりの大きさで、 先物高(=買い戻し)から来る裁定買いが相場を押し上げたということを示しています。
高値に進んだことで市場心理が好転し物色意欲は旺盛になっていますが、不思議なことに物色面には方向性がみられません。
買い戻し主導で上げてきたせいです。それが終わった後はどうなるか。これが最大の問題となりますが、それはまだ読めません。こうした中、為替が急速に円安に振れてきたことため、物色の流れがどこに向かうか読みにくくしています。

 方向性が出てくるまでは休むも相場

8日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは小幅に続落し前日比9ドル(0.04%)安の22349ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同4㌽(0.07%)高の6426で引けています。
新型スマホ「ⅰPhone8」と腕時計型端末「アップルウオッチ」の新モデルの売れ行きが懸念され、アップルへの売りが続いたことが相場の重荷となりました。ただ両指数とも史上最高値圏にあり下がったという感じはなく、手掛かり材料に欠ける動きでした。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比101円安の21950円で引けています。
外国人は9月第2週(11~15日)も日本株を4172億円売り越しました。売り越すのは8週連続で、この間の売越額は1兆5640億円超に達します。8月9日に北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射を計画していると伝わって以降、有事に備えた日本株売りが続いているようです。ただこの週は株価指数先物を1兆2342億円買い越しており、現物と先物差し引きでは8000億円超の買い越しとなっています。これが日経平均を高値まで押し上げました。ショートポジションの整理で指数は急伸しましたが、現物株の売りを見ると売りが一巡しつつあるとはまだ言えません。暫くは事態の推移を見守るしかないように思います。
日経平均は高値まで進んできましたが、ここからの見通しは読めません。市場には高値警戒感も出ています。相場や物色面に方向性が出てくるまでは休むも相場でいいのではとみています。

2017年9月11日号

 地政学リスクが重荷に

日経平均株価は下値模索の動きになってきました。流れが変わってきたかと思わせる動きでしたが、3日の北朝鮮の核実験を受け、市場は再びリスク回避ムードの強い動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中4営業日で下落、週間で417円(2.1%)安となりました。終値は19274円と4月28日以来、4カ月半ぶりの安値となっています。特に8日は9日の北朝鮮の建国記念日を前に地政学リスクが警戒され、14:00過ぎから円高・ドル安が急速に進み、下げ幅を拡大する展開。先物主導の下げでしたので、短期筋の仕掛け的な売りで下げた面が大きかったように思います。
円相場が岩盤とみられていた1㌦=108円台を割り込んだことで、企業業績を下押しするとの警戒も広がっています。地政学リスクを警戒する動きになっていますので、当面は事態を見守るしか方法はありません。
上場企業の2017年4~6月期(金融と新興企業を除く)は全産業ベースで23.8%増益と予想を上回るものでした。製造業がけん引する形になっており、通期では6.6%増益と最高益を更新の見通しです。1年の4分の1が経過した段階で通期業績を増額修正するのは控える傾向が強いので、通期業績はさらに良くなる可能性があります。ただこれまで指摘してきたように相場は分岐点にさしかかっている可能性もあります。当面は相場の方向性を見極めるだけでいいとみています。

今は動こうにも動けない状態


8日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比13ドル(0.1%)高の21797ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同37㌽(0.6%)安の6360で引けています。フロリダ州に接近している大型ハリケーン「イルマ」による影響を見極めたいとの雰囲気が強く、上値の重い動きでした。8月下旬にハリケーン「ハービー」が甚大な被害をもたらしたため、警戒感が広がる形となっています。北朝鮮が建国記念日を迎える9日にミサイル発射などを強行しかねないとの警戒感も上値を重くしたようです。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比114円安の19160円で引けています。今週もこれにサヤ寄せする形で軟調な始まりとなりそうです。
外国人は8月第5週(8月28~9月1日)も日本株を売り越しました。売り越すのは6週連続で、この間の累計売越額は8520億円超にのぼります。8月9日に北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射を計画していると伝わって以降、有事に備えた日本株売りが続いているようです。この週は北朝鮮が発射した弾道ミサイルが北海道上空を通過してJアラートが鳴った週(発射は8/29早朝)ですが、当日下げた後は3日続伸していました。売越額は前の週から半分以下に大きく減少していますが、先週の指数の下げを見ると売りが一巡しつつあるとはまだ言えません。いまは事態の推移を見守るしかないように思います。
決算発表の一巡で買い手掛かり材料が乏しくなっています。地政学リスクも重荷となり動こうにも動けません。こんなときは動く必要はありません。動くのは相場の方向性が見えてからでも遅くはないとみています。
なお9月19日号はお休みさせていただきます。

2017年9月4日号

 相場の動きが少し変わった感じです

相場の動きが少し良くなっきました。先週、日経平均株価は週後半から3日続伸し前週末比239円(1.23%)高の19691円で取り引けを終えました。大した上昇幅ではありませんが、円高による業績の下振れ懸念が後退し、市場のムードは少し変わった感じがします。日経平均株価は2日連続でフシ目の20日移動平均線の情報で推移するようになり、TOPIXは20日移動平均線だけでなく、60日をも上回った水準まで戻しています。目先の底を入れたとはまだ言えませんが、その可能性が出てきたように思います。
流れが変わってきたのは円高の流れに歯止めがかかってきたからです。1㌦=108円台は岩盤となっており、何度トライしても越えられない壁となっていたので、北朝鮮リスクが少し和らいだことで円安に振れてきたことが、買い安心感を誘ったようです。
上場企業の2017年4~6月期(金融と新興企業を除く)は全産業ベースで23.8%経常増益と予想を上回るものでした。製造業がけん引する形になっており、通期では6.6%経常増益と最高益を更新の見通しです。1年の4分の1が経過した段階で通期業績を増額修正するのは控える傾向が強いので、通期業績はさらに良くなる可能性があります。ただこれまで指摘していたように相場は分岐点にさしかかっている可能性もあります。当面は相場の方向性を見極めるだけでいいのではとみています。

いまは相場の方向性を見極めるとき

1日の米国株は上昇しました。NYダウは4日続伸し前日比39ドル(0.2%)高の21987ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は5日続伸し、同6㌽(0.1%)高の6435と連日で過去最高値を更新しています。8月の雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比15万6000人増と市場予想(18万人程度)を下回ったものの、失業率は4.4%と低水準で、FRBが完全雇用とみる4.6%を下回った状態は変わっていません。雇用者数の伸び鈍化は季節調整のゆがみが主因との指摘も多く、嫌気した売りは目立ちませんでした。ただ3連休を控えた週末とあって上値の重い動きでした。これを受けたCMEの日経平均先物は19720円と日経平均終値比28円高の引けとなっています。
外国人は8月第4週(21~25日)も日本株を1529億円売り越しました。売り越すのは5週連続。第2週が2746億円、第3週が2057の売り越しですから、この3週間の売越額は約6300億円に達します。9日に北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射を計画していると伝わって以降、有事に備えた日本株売りが続いているようです。いまは事態の推移を見守るしかないように思います。
決算発表の一巡で買い手掛かり材料が乏しくなっています。相場の流れが少し良くなってきたように思いますが、今は相場の方向性を見極める段階ではないかとみています。動くのは方向性が見えてからでも遅くはないとみています。

2017年8月28日号

 いまは相場の方向性を見極めるとき

東京市場は軟調な動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中、3営業日下落、週間では18円の下落となりました。終値は前日比98円高の19452円。6日連続でフシ目の19500円を下回っています。東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を下回ったままで日中値幅も小さく、夏枯れともいえる様相を呈しています。
6月20日の年初来高値からの下落幅は778円(3.8%)にすぎませんが、週間では6週連続の下落となっています。20日移動平均線に続いて60日移動平均線が下向きに変わっている中、日足が100日移動平均線の下方で推移しているだけに、先行きが懸念される状況となっています。北朝鮮リスクが影響していると言われていますが、実態は北朝鮮リスクを含めた米国株の動き、言い換えれば米国株の写真相場になっているように感じます。
トランプ大統領の政権運用能力への不安が米株下落の一因となっていますので、悩ましい問題です。国内でも民主党政権が誕生した2009年に同様なことが起きました。世界株が上昇しているなか、日本株だけが9月から11月にかけて下落していました、その時は政権担当能力が指摘され、市場では「民主党ショック」と言っていました。
上場企業の2017年4~6月期(金融と新興企業を除く)は全産業ベースで23.8%経常増益と予想を上回るものでした。製造業がけん引する形になっており、通期では6.6%経常増益と連続で最高益を更新の見通しとなっています。4分の1が経過した段階での通期業績の増額修正は控える傾向が強いので、通期業績はさらに良くなる可能性もあります。ただこれまで指摘していたように相場は分岐点にさしかかっている可能性もあります。当面は相場の方向性を見極めるだけでいいのではとみています。

当面は「休むも相場」

25日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比30ドル(0.1%)高の21813ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同5㌽(0.1%)安の6265で取引を終えています。トランプ政権が減税などの税制改革を推し進めるとの期待から買いが優勢でした。しかし、ジャクソンホールでの経済シンポジウムでFRBのイエレン議長とECBのドラギ総裁がともに金融政策に関して言及を避けたため、上値を追う手掛かりを欠き、上げ幅を縮小する動きとなりました。NYダウは一時上げ幅を123ドルまで広げる場面もありました。これを受けたCMEの日経平均先物は19455円と日経平均終値比2円高で引けています。
外国人は8月第3週(18~10日)も日本株を2057億円売り越しました。売り越すのは4週連続。第2週も2746億円売り越しており、この2週の売越額は合計で約4800億円になっています。9日に北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射を計画していると伝わって以降、有事に備えた日本株売りが進んでいるようです。
いまは事態の推移を見守るしか手はないように思います。
決算発表が一巡して買い手掛かり材料が乏しくなっています。相場の先行きも読みにくくなっていますので、当面は「休むも相場」ではないかとみています。

2017年8月21日号

 米国政治がリスクに

先週、日経平均株価は3日続落しフシ目の19500円を割り込みました。19500円を割り込むのは5月2日以来、約3カ月半ぶり。前日の米国株の急落などで投資家心理が悪化、為替が円高に進んだのも嫌気されました。終値は前日比232円安の19470円。週間では259円(1.31%)の下落となりました。
6月に付けた年初来高値からの下落幅は760円(3.75%)ですが、20日移動平均線が下向きに変わり株価がその下方で推移しており、60日移動平均線も下向きに変わりそうな状況となっているだけに、先行きが懸念される状況となっています。市場では北朝鮮リスクが響いたと言われていますが、実態はそうではなく、北朝鮮リスクを含めた米国株の動き、言い換えればその写真相場になっているような感じです。
トランプ大統領の政権担当能力への不安が米国株下落の一因になっている面もありますので、悩ましい問題です。国内でも民主党政権が誕生した2009年に同様なことが起きました。世界株が上昇しているなかで、日本株だけが9月から11月にかけて下げていました、その時も政権担当能力が指摘され、市場では「民主党ショック」と言っていました。
発表が終了した上場企業の2017年4~6月期決算(金融と新興企業を除く)は全産業ベースで23.8%経常増益と好調で予想を上回るものでした。製造業がけん引する形になっており、通期では6.6%経常増益と連続で最高益を更新の見通しとなっています。4分の1が経過した段階での通期業績の増額修正は控える傾向が強いとみられるので、通期業績はさらに良くなる可能性もあります。ただこれまで指摘していたように、相場は分岐点にさしかかっている可能性もありますので、当面は方向性を見極めるだけでいいのではとみています。

当面は「休むも相場」

18日の米国株は下落しました。NYダウは前日比76ドル(0.35%)安の21674ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同5㌽(0.09%)安の6216で取引を終えています。トランプ政権の先行きに対する根強い警戒感が売りを誘ったようです。業績懸念が浮上した銘柄が売られたのも重荷となりました。ただ前日に3カ月ぶりの下げ幅となったため、戻りに期待した買いもみられ、下げ幅は限定的でした。4~6月期が減収となったシスコシステムズと業績不安が台頭したナイキの2銘柄でダウ平均を21ドル強押し下げています。これを受けたCMEの日経平均先物は19460円と日経平均終値比10円安で引けています。
外国人は8月第2週(7~10日)も日本株を3週連続で日本株を売り越しました。売越額が2746億円と大きくなったのは北朝鮮リスクの高まりを警戒したものでしょう。これに対し、買い向かっているのが証券自己。1633億円の買い越しとなっていますが、これは日銀のETE買いを反映したものだとみられます。8月に入っての軟調な動きは外国人売りが主因だったわけですが、いまは米国政治を見守るしか手はないように思います。
決算発表が一巡して買い手掛かり材料が乏しくなっています。相場の先行きも読みにくくなっていますので、暫くは「休むも相場」ではないかとみています。

2017年8月7日号

当面は相場の方向感を見極めるとき

日経平均は2万円を挟んで膠着感の強い動きになっています。先週末の日経平均価は前日比76円安の19952円。週間の変動幅はマイナス7円51銭で、2016年10月に記録した3円72銭安以来、10カ月ぶりの小ささとなっています。決算発表期間中で個別株相場になっている面もありますが、方向感は全く感じられません。こうした相場が3カ月近くも続いています。上に行きそうな可能性もあるし、下にも行きそうな可能性もある悩ましい状況となっています。

このような相場になっているのは米景気の減速懸念から業績見通しが不透明になり、先行きに自信が持てなくなってきたからではないかとみていますが、日銀のETF買いも多分に影響しています。異次元緩和の一環としてETF買入額を年6兆円に拡大して以降、下がった局面でETF買いが入るので株価が下がり切らず、結果として相場にうねりがなくなり、売買の機会を奪う結果になっています。相場は分岐点にさしかかっている可能性もありますので、当面は方向性を見極めるときではないかとみています。

決算発表で個別物色の動きに

4日の米国株は堅調でした。NYダウは9日続伸し前日比66ドル(0.3%)高の22092ドルと8日連続で過去最高値を更新し、ハイテク株比率が高いナスダック指数も反発し、同11㌽(0.2%)高の6351で引けています。7月の雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比20.9万人増え、市場予想(18万人程度)を上回り、失業率も4.3%と0.1㌽改善。平均時給も2.5%増えたことから景気は緩やかに回復しているとの見方が広がり、幅広い銘柄に買いが入りました。雇用統計を手掛かりに国債利回りが一時2.29%と前日比0.07%上昇(価格は下落)、これが追い風となり金融株が大きく買われる展開となりました。これを受けたCMEの日経平均先物は20045円と日経平均終値比92円高で引けています。
外国人は7月第4週(24~28日)に日本株を1282億円売り越しました。売り越すのは3週ぶり。売越額がやや多いように思いますが、決算発表前で業績の先行きが読めなくなっているので、銘柄入れ替えの結果、そうなったのではないかとみています。
相場には方向感がなくなっていますが、4~6月期決算を受け、市場では買われるものとそうでないものがはっきりしてきました。ここは積極的に動くときでしょう。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、狙い目となるのは好決算銘柄。ただ決算プレーは織り込んでいないものを一気に織り込む動きですから、短期勝負が基本。長くは持たないようにしてください。
なお次週8月14日号はお休みします。

2017年7月31日号

当面は相場の方向感を見極めるとき

日経平均は2万円を挟んで膠着感の強い動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中2営業日上昇、3営業日下落しました。週間の変動幅はマイナス140円(0.70%)。終値は199589円と2万円を下回って引けました。方向感は全く感じられません。こうした相場が3カ月近くも続いています。上に行きそうな可能性もあるし、下にも行きそうな可能性もある悩ましい状況となっています。

このような相場になっているのは米景気の減速懸念から業績見通しが不透明になり、先行きに自信が持てなくなってきたからではないかとみていますが、日銀のETF買いも多分に影響しているように思います。異次元緩和の一環として昨年7月からETF買入額を年6兆円に拡大して以降、下がった局面でETF買いが入るので株価が下がり切らず、結果として相場のうねりがなくなり、売買の機会を奪う結果になっています。相場は分岐点にさしかかっている可能性もありますので、当面は方向性を見極めるときではないかとみています。

好決算発表銘柄が狙い目

28日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは4日続伸し前日比33ドル(0.2%)高の21830ドルと3日連続で過去最高値を更新し、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同7㌽(0.1%)安の6374で引けています。
4~6月期の実質GDP(速報値)が年率2.6%増となり、全体の約7割を占める個人消費の伸び率が1~3月期から拡大したものの、市場予想並みの結果だったため、反応は限定的でした。こうした中、好決算を発表した銘柄が買われ相場を支えましたが、全般的には小動きでした。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比4円安の19955円で引けています。
外国人は7月第3週(18~21日)も2週連続で日本株を買い越しました。買越額は861億円。業績見通しが不透明なため買い越し基調に転じたとはみていません。動きが変わるとすれば決算発表が終了し、業績見通しがある程度わかった後ではないかとみています。それまでは高くなったのを売り安くなったのを買う銘柄入れ替えが中心ではないかとみています。
相場には方向感がなくなっていますが、先週から4~6月期決算発表が始まりましたので、ここは動くときでしょう。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、狙い目となるのは好決算を発表した銘柄。ただ決算プレーは織り込んでいないものを一気に織り込む動きですから、短期勝負が基本。長くは持たないようにしてください。

2017年7月24日号

当面は流れを見極めるとき

日経平均株価は2万円を挟んで膠着感の強い動きになっています。先週、日経平均株価は4営業日中2営業日上昇、2営業日下落しました。終値は20099円と2万円は維持したものの、波間に漂っている感じで方向感は感じられません。こうした相場が2カ月近くも続いています。上に行きそうな可能性もあるし、下にも行きそうな可能性がある悩ましい状況となっています。

このような相場になっているのは米景気の減速懸念から業績見通しが不透明になり、先行きに自信が持てなくなってきたからではないかとみていますが、日銀のETF買いも多分に影響しています。異次元緩和の一環として昨年7月からETF買入額を年6兆円に拡大して以降、下がった局面ではETF買いが入るので株価が下がり切らず、結果として相場にうねりがなくなり、売買の機会を奪う結果になっているように思います。相場は分岐点にさしかかっている可能性もありますので、当面は流れを見極めるときではないかとみています。

好決算発表銘柄が狙い目

21日の米国株は下落しました。NYダウは続落し前日比31ドル(0.2%)安の21580ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同2㌽(0.0%)安の6387で引けています。主要企業の四半期決算が本格化し、業績が振るわなかった銘柄が売られ、相場の重荷となりました。GEは4~6月期売上高が12%の大幅減となったのが嫌気されたほか、原油先物相場の下落からエネルギー関連株が売られ、金融株の下落も指数を下押ししました。主要株価指数が最高値圏にあり、週末を控えて利益売りが出やすかったことも響いたようです。これを受けたCMEの日経平均先物は19965円と日経平均終値比134円安で引けています。

外国人は7月第2週(10~14日)に日本株を2週ぶりに買い越しました。買越額は1732億円。買越額が1000億円を超えるのは6週ぶりです。欧米金利の上昇を受けて円安・ドル高が進行したことが主因だとみていますが、業績の先行きが読めなくなっていますので、買い越し基調が続くとはみていません。当面は高くなったのを売り安くなったのを買う銘柄入れ替えが中心ではないかとみています。

相場には方向感がなく買い手がかり材料も乏しくなっていますが、今週から上場企業の4~6月期決算発表が本格化します。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、好決算を発表した銘柄は狙い目でしょう。ただ決算プレーは織り込んでいないものを一気に織り込む動きですから、短期勝負が基本。長くは持たないようにしてください。

2017年7月10日号

 当面は流れを見極めるとき

日経平均株価は2万円を挟んで膠着感の強い動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中3営業で下落、週間では104円(0.52%)の下落となりました。終値は19929円と2日ぶりに2万円の大台を割っての引け。日経平均は6月に入って一段高し年初来高値を更新しましたが、大幅高して高値を更新した6月2日から先週末までの日経平均の騰落日数を見ると、値上がり12日に対し値下がりが14日とほぼ拮抗した状態になっています。一時は上げ下げを繰り返す鯨幕相場もみられました。高値圏にありますが、波間に漂っている感じで方向感は感じられません。

こうした相場になってきたのは米景気の減速懸念から業績見通しが不透明になり、先行きに自信が持てなくなってきたからではないかとみていますが、日銀のETF買いも多分に影響しています。異次元緩和の一環として2016年7月からETFの買い入れ金額を年6兆円に拡大して以降、下がった局面ではETF買いが入るので株価が下がり切らず、結果として相場にうねりがなくなり、売買の機会を奪う結果になっています。相場は分岐点にさしかかっている可能性もありますので、当面は流れを見極めるときではないかとみています。

決算発表までは休むも相場か

7日の米国株は上昇しました。NYダウは3営業日ぶりに反発し前日比94ドル(0.4%)高の21414ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同63㌽(1.0%)高の6153で引けています。非農業部門の雇用者数が前月比22.2万人増と市場予想(17万人程度)を大幅に上回り4月、5月分も上方修正されたため、運用リスクを取る動きが強まりました。雇用回復を受けて長期金利が上昇し、JPモルガン・チェースやシティグループなど銀行株に利ざや拡大を期待した買いが入ったことも相場を押し上げました。これを受けたCMEの日経平均先物は20040円と日経平均終値比110円高で引けています。

外国人は6月第4週(26~30日)に日本株を4週ぶりに売り越しました。ただ売越額は115億円と小幅にとどまっています。9週連続で買い越した後、3週買い越してからの売り越し。業績の先行きが読めなくなったので買い続けることもできず、高くなったものを売って安くなったものを買う銘柄入れ替えがそうさせたのではないかとみています。

相場には方向感がなく買い手がかり材料も乏しくなっているため、当面は積極的に動く必要はないとみています。よく分からない相場上昇でしたので、この水準からの動きは読みづらくなっています。今月下旬からは決算発表が始まりますので、それまでは休むも相場ではないかとみています。
なお次週7月18日号はお休みします。

2017年7月3日号

 相場は方向感のない動きに

 先週、日経平均株価は約2週間ぶりに2万円の大台を割り込む場面がありましたが、終値は20033円と2万円台を回復して引けました。ただ前日比では186円安。週間では99円(0.49%)の下落となっています。6月の日経平均の月間値幅(終値ベース)は398円と2011年7月以来、5年11か月ぶりの小ささとなっています。6月に入って年初来高値を更新しているのに高揚感はなく、商いは盛り上がらず、月間を通してみれば膠着感の高い動きとなっています。日経平均の騰落日数を見ても値上がり11日に対し値下がりが11日。これから見ても相場には方向感がなくなっています。
 こんな相場を演出している一因は日銀のETF買いでしょう。異次元緩和の一環として2016年7月からETFの買い入れ金額を年6兆円に拡大して以降、下がった局面ではETF買いが入るので株価が下がり切らず、押し目買いが入れにくくなっています。結果として相場にうねりがなくなり、売買の機会を奪う形になっています。30日、大引けにかけて日経平均が下げ幅を縮小したのはETF買いが728億円入ったからではないかとみています。
 景気や金利の動向が読みづらくなってきたこともこうした相場の一因となっています。米国の景気減速懸念に加え、欧州では金融緩和縮小がにわかに意識されてきました。超低金利を背景に長期にわたって形成された今の相場が金利上昇に耐えられるか読めなくなり、買いを手控える要因となっています。相場が分岐点にさしかかっている可能性もありますので、当面は慎重なスタンスが必要でしょう。

  当面は流れを見極めるときか


 30日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比62ドル(0.3%)高の21349ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同3㌽(0.1%)安の6140で引けています。前日に167ドル安と大幅安した反動で押し目買いが入りやすかったうえ、原油高を受けエネルギー関連株が幅広く上昇しました。
スポーツ用品大手のナイキが大幅高し1銘柄でダウ平均を約40ドル押し上げたのも寄与しました。ただナスダック指数は約1か月ぶりの安値となっています。これを受けたCMEの日経平均先物は20085円と日経平均終値比51円高で引けています。
 外国人は6月第3週(19~23日)も日本株を売り越しました。売り越すのは3週連続ですが、売越額は92億円と小幅にとどまっています。9週連続で買い越した後の売り越しですが、売り越し基調に転じたとはみていません。銘柄入れ替えの結果ではないかとみています。
 相場には方向感がなく買い手がかり材料も乏しくなっているため、当面は積極的に動く必要はないとみています。よく分からない相場上昇でしたので、この水準からの動きは読みづらくなっています。休むも相場といいます。当面は流れを見極めるだけでいいのではとみています。

2017年6月26日号

不思議な上昇です

日経平均の5月1日から先週末(6月23日)までの37日間の騰落日数を見ると、上昇が18日、下落が19日となっています。
相場の動きをずっと見ていて思うことですが、相場がそんなに下がっていなくても下落日が多くなるとこれはヤバいのでは・・・と感じることがあります。2015年のチャイナショック前や昨年の初頭、そして今年1月4日~3月15日(50営業日中、上昇が24日、下落が26日でした)がそうでした。

今回は日経平均が年初から1018円上昇し昨年来の高値を更新している中で起こっているだけに、嫌な感じもします。
何でこんな相場になっているのか不思議に思っていましたが、理由の一旦はやはり日銀のETF買いにあるようです。
日銀は異次元緩和の一環として2016年7月からETFの買い入れ金額を年6兆円に拡大しました。2010年10月から始まったETF購入はこれを機に購入額が急増、チャイナショックで落ち込んでいた相場を2万円まで引き上げました。それから1年近くが経ち、ETF保有残高は17兆円を突破したと24日付の日経紙が報じていました。株価下支えに一定の効果を果たしたのは確かですが、ここへ来てそのマイナス面も目立つようにきました。

 

日銀のETF買いが相場を支える

割安になれば日銀がすかさず動くので、株価が下がりきらず、仕込みにくくなったとの声です。日銀がどんどん購入するので売り手がいなくなる「セリングクライマックス」も起こりにくくなりつつあり、「民間の投資機会を奪っている」との見方も出ています。株価形成が歪められているとの指摘もあります。

投資家別の日本株保有額のトップはGPIF(年金)で36.0兆円、2位が米ブラックロックで17.6兆円、3位が日銀で17.1兆円、4位が野村アセットマネジメントで13.1兆円、5位がアセットマネジメントOneで10.2兆円(日本生命は7.0兆円で7位)となっていますが、年内にはブラックロックを抜いて2位になるのは確実です。
強力なカンフル剤の投入がいつまで続くか分かりませんが、もしETF購入額減額となれば株価には相当なダメージになります。

2016年4月以降の投資部門別売買動向を集計(日経調べ)したら、売り越しが個人6.2兆円、投資信託1.8兆円、買い越しが外国人1.7兆円、日銀6.6兆円となっています。個人の売りを日銀が吸収し、相場を押し上げたことが分かります。
ETFによる日銀の保有分は上場企業の時価総額の3%弱にすぎず、購入を増やしてもすぐに問題は起きないというのが日銀の立場ですが、個別企業では見たら大変な事態になっています。

日銀の保有比率の高い企業は①アドテスト(保有割合16.6%)、②ファーストリ(15.0%)、③太陽誘電(13.5%)、④TDK(13.5%)、⑤ユニー・ファミリーマートHD(13.4%)、⑥東邦亜鉛(12.9%)、⑦トレンドマイクロ(12.4%)、⑧コムシスHD(12.1%)、⑨コナミHD(11.8%)、⑩日産化学(11.5%)となっています(株主名簿には信託銀行名義で出ます)
以下、東エレク(10.8%)、オークマ(10.6%)、日東電工(10.5%)、三菱倉(10.1%)、日化薬(9.8%)と続き、40位千代建(7.1%)となっています。
ここまで買い上げられたら時価は実態価値からかなり乖離しているはずです。
こんな状況では主力株を買って行っていいのか分からなくなります。

それに米景気の減速懸念が加わって業績の先行きが見通せなくなり、何をどうしたらいいか分からなくなった。今はこんな感じではないかと思います。
日経平均は2万円台を回復しましたが、それは非常に低いレベルで売りと買いがせめぎ合い、結果としてそうなっただけではないかと思います。
テレビとかラジオの解説を聴いていたら強い、強いといっていますが、そんな感じは全くしません。

 

持ち株は絞るようにしてください

 

株価は上がらなくなったら、後は下がるしかありません。
相場では上げ局面より下落局面が最も取りやすくなります。
これまで下落局面では売買を手控えていましたが、今度は取りに行くつもりですので、銘柄は出来るだけ絞るようにしてください。4~6銘柄くらいがちょうどいいのではないかとみています。
多すぎたらすぐ切れず、対応不能になるからです。

2017年6月5日号

 1年半ぶりに2万円台を回復

 日経平均株価は先週、年初来高値を更新しました。1日に前日比209円高となったあと2日は317円(1.6%)高と一気に上昇、心理的フシ目の2万円をあっという間に上回って引けました。2万円を前に足踏みしていたそれまでの動きから景色が変わった感じです。2万円台を回復するのは2015年12月1日以来、1年半ぶり。良好な経済指標を受けてNYダウが3か月ぶりに過去最高値を更新したことで投資家心理が改善、運用リスクを取る動きが広がったようです。2万円を超えた後も上げ幅を拡大したため、売り方の買い戻しも相場の押し上げ要因となったようです。
 あっという間の2万円回復でしたが、今回の上昇は外国人が牽引したのではとみています。日本株の割安・出遅れに着目した可能性があるからです。上場企業の決算は期待ほど良くはありませんでしたが、前3月期の連結純利益は18.3%増(金融を除く全産業ベース)と2期ぶりに過去最高を更新、今期は9.2%増と一段の拡大を見込んでいます。計算上、日経平均採用銘柄の1株当たり利益は1402円となり、日経平均2万円はPER14.2倍となります。15倍程度まで買うと21030円となり時価は割安となります。欧米株に比べた出遅れ感も存在していました。
 ただよくわからない上昇だったことも事実で、今後は持続力が問われそうです。

 当面は決算の見直し場面


 2日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比62ドル(0.3%)高の21206ドルと前日に続いて過去最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック指数も続伸し、同58㌽(0.9%)高の6305と前日に続いて過去最高値を更新して引けています。朝方発表された5月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数が13万8000人増と市場予想(18万5000人程度)を下回ったことで、確実視される6月の利上げ後は、利上げペースが想定より緩やかになるとの見方が浮上、株式市場への資金流入が続くとの思惑から買いが優勢となりました。世界景気の回復を背景に欧州株やアジア株が連日上昇していることも、心理の改善につながったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比22円安の20155円で引けています。
 外国人は5月第4週(22~26日)も日本株を買い越しました。買い越すのは8週連続となりますが、買越額は220億円と前の週の20分の1にしぼんだ前週(301億円)よりさらに減少しています。過去8週間で1兆5261億円買い越していたので、売り過ぎた分の買い戻しは終息したとみなければなりません。企業業績が見通せない状況だけに、そこがはっきりするまでは目立った動きは出てこないのではとみていますが、先週の株価上昇が外国人買いによるものだとすれば、買い越し基調が続く可能性もあります。
 決算発表の一巡で買い手がかり材料が乏しくなっているため、当面は積極的に動く必要はないとみています。よく分からない相場上昇でしたので、日経平均2万円乗せでも流れが変わるとは思えません。そうした中、狙うとすれば、決算を受けて上伸した後、需給・値幅調整が終わった銘柄とか、上伸後、中段もみ合いで落ち着いた動きになっている銘柄など、好決算銘柄を吟味し直して決めた方がいいように思います。今回の決算発表は1日で1000社近くが発表するなど記録づくめでした。チェックが間に合わず見落されていた銘柄や不完全な評価をされた会社も相当あったとみています。そういうものを見直す局面ではないかとみています。
なお6月12、19日号はお休みさせていただきます。

2017年5月29日号

相場は手詰まり状態に

日経平均株価は心理的フシ目の2万円を前に足踏みしています。先週、日経平均株価は5営業日中3営業日で上昇、週間で96円(0.49%)高しました。前日の海外市場を受けて上下に振れた後は値動きに乏しく、方向感に欠ける動きでした。根底にあるのは相場の手詰まり感。トランプ政権の動向や地政学リスクなど先行き不透明感は根強く、積極的にリスクを取る動きはみられません。そのため一部の短期マネーは仮想通貨など個別テーマに着目した「局地戦」にシフトしており、相場の流れが読みにくくなっています。
決算発表の一巡で買い手掛かり材料が乏しくなったことも影響していますが、 上場企業の決算が期待ほど良くなかったこともこうした相場を演出しています。上場企業の2017年3月期の連結純利益は18.3%増(金融を除く全産業ベース)と2期ぶりに過去最高を更新しましたが、今期は9.2%増と増益率が大きく鈍化する見通しとなっています。経常利益は前期の7.2%増から3.8%増に伸びが鈍化する予想となっています。そのため今回は決算発表を受けて売られる銘柄が目立ちました。今期業績については保守的に見ている可能性もありますが、この増益率では新たに買いを入れる誘因にはなりません。業績見通しが定まるまでは上値は重いと考えた方がいいかもしれません。

当面は決算の見直し場面


26日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは7営業日ぶりに小幅反落し、前日比2ドル(0.0%)安の21080ドルとなり、ナスダック指数は7日続伸し、同4㌽(0.1%)高の6210と前日に続いて過去最高値を更新しました。機関投資家の多くが運用指標に据えるS&P500種株価指数も7日続伸し3日連続の最高値更新となっています。29日がメモリアルデーの祝日で3連休となるため、薄商いで方向感に欠ける動きでした。前日までの6連騰で利益確定や持ち高を調整する売りがやや優勢でしたが、予想を上回る経済指標が相場を支え、下値も堅いという動きでした。これを受けたCMEの日経平均先物は26日の日経平均終値比33円高の19720円で引けています。
外国人は5月第3週(15~19日)も日本株を買い越しました。買い越すのは7週連続となりますが、買越額は301億円と前の週の20分の1にしぼんでいます。過去6週間で1兆4740億円超買い越していたので、売り過ぎた分の買い戻しは終息したとみなければなりません。企業業績の先行きが見通せない状況だけに、そこがはっきりするまでは目立った動きは出てこないのではとみています。
決算発表の一巡で手がかり材料が乏しくなっていますので、当面は積極的に動く必要はないとみています。そうした中で狙うとすれば、決算を好感して上伸した後、需給調整が終わった銘柄や、上伸後、中段もみ合いで落ち着いた動きになっている銘柄など、好決算銘柄を吟味し直して買う買わないは決めた方がいいように思います。今回の決算発表は1日で1000社近くが発表するなど記録づくめでした。チェックが間に合わず見落されていた銘柄や不完全な評価をされた会社も相当あったのではないかとみています。そういうものを見直す局面ではないかとみています。

2017年5月22日号

企業業績は事前の期待ほど良くはないようです

先週、日経平均株価は少し押しましたが、動きはしっかりしているように思います。先週末の終値は前週末比293円安の19590円。仏大統領選でEU残留派のマクロン氏の当選が決まったことを好感して8日に450円も上昇しすぎた反動が出ただけではないかともみられます。年初来の高値は11日に付けた19661円ですが、先週末の株価はそれ以前の高値圏だった19500円台まで後退したことになります。
一歩後退したのはトランプ大統領とロシアの不透明な関係を巡る「ロシアゲート」問題への懸念が高まり米国株が急落、リスクオフの動きとなり円相場が1㌦=111円台まで上昇したことを受けたもの。大統領弾劾へ発展する可能性も出てきだだけに、今後の波乱要因となりそうです。
上場企業の決算は悪くはありませんが、予想していたほどではなかったというのが実感です。2017年3月期の連結純利益は金融を除く全産業ベースで18.3%増と2期ぶりに過去最高を更新しましたが、今期は9.2%増と増益率が大きく鈍化する見通しとなっています。経常利益で見たら前期は7.2%増でしたが、今期は3.8%増予想となっています。今回は決算を受けて売られる銘柄が目立ちましたが、それもむべなるかなと云える業績内容となっています。今期業績については保守的に見ている可能性もありますが、微増益では新たに買いを入れる誘因にはなりません。業績見通しが定まるまでは上値は重いと考えた方がいいかもしれません。

当面は決算の見直し場面


19日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比141ドル(0.7%)高の20804ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同28㌽(0.5%)高の6083で引けています。原油先物相場が主要産油国による協調減産の延長観測などを背景に1バレル50ドル台とほぼ1カ月ぶりの高値を付けたほか、良好な決算を好感した買いが入りました。トランプ大統領が外遊に出かけている間は政権のロシア関与を巡る動きが一時的に和らぐとの思惑も買い戻しを誘ったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は19690円と19日の日経平均終値比99円高で引けています。
外国人は5月第2週(8~12日)も日本株を買い越しました。買い越すのは6週連続で、買越額は5602億円と約5ヵ月ぶりの大きさとなっています。この週は日経平均が438円(2.3%)上昇しました。EU派のマクロン氏が仏大統領選で勝利したことで欧州政治の不透明感が後退、リスクを取る動きが強まったようです。
決算発表が一巡し買い手がかり材料が乏しくなっていますが、当面は積極的に動く必要はないとみています。決算を好感して上昇した後、その修正が来た銘柄や、上昇したあと中段もみ合いで落ち着いた動きになっている銘柄など、好決算銘柄を吟味し直して買う買わないは決めた方がいいように思います。今回の決算発表は1日1000社近くが発表するなど記録づくめでした。チェックが間に合わず見落されていた銘柄や、不完全な評価をされた会社も相当あったのではないかとみています。そういうものを見直す局面ではないかとみています。

2017年4月24日号

地政学リスクの最悪期は通過したようです

先週、日経平均株価は少し戻しました。5営業日中4営業日上昇し終値は18620円。週間では285円(1.55%)の上昇となりました。ただ3月13日の直近高値から4月14日安値までの下落幅(1328円)に対する戻り率はまだ21.4%にすぎません。前週号で「市場心理は悪化したままですが、大底圏でしか見られない現象がここまで揃ったら、底入れは近いとみるべきではないかと思います」と指摘しましたが、そう感じさせるような動きです。地政学リスクはくすぶったままですが、市場は最悪の局面は通過したと捉えたようです。
今回の下げについてはそう心配していませんと前週号で指摘しました。詳細は4月17日号に出ていますが、売り込まれた下げではないこと、騰落レシオが売られすぎ水準まで上昇していること、値下がり銘柄数の極端な多さなどがその理由です。
相場は下落しているのに新安値更新銘柄は増えていません。ザラ場安値が18532円だった4月6日の年初来安値銘柄数は644、同18460円だった4月12日は487、同18304円だった4月13日は633、同18285円だった14日は450、同18224円だった17日は400と安値更新銘柄が逆に減少していました。耐性が付きつつあるということです。チャートからは17日のザラ場安値18224円で底を入れた可能性が出てきましたが、「あく抜け感」は出ていないので、新たな売り材料が出たら下抜けしかねない状況であることは念頭には入れておくできでしょう。

好決算発表銘柄が狙い目


21日の米国株は下落しました。NYダウは前日比30ドル(0.2%)安の20547ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同6㌽(0.1%)安の5910で引けています。23日のフランス大統領選を前に持ち高調整の売りがやや優勢だったようです。ただ米政権による減税への期待が根強いうえ、仏選挙の結果を見極めたいとして下値を得る動きも乏しく、手掛かりにかける動きでした。ダウは小幅高に転じる場面もありましたが、これはトランプ大統領が税制改革案を26日にも公表する考えを明らかにしたことで政策期待が高まった結果です。これを受けたCMEの日経平均先物は21日の日経平均終値比20円安の186000円で引けています。
外国人は4月第2週(10日~14日)も日本株を買い越しました。買越額は1027億円と前週(908億円)から増えています。前週号で外国人の日本株売りは峠を越えた可能性が強まってきましたと指摘しましたが、その可能性はより高まってきました。新年度入りで益出しに動いていた銀行や生損保など国内金融機関も一定の利益を確保したことで売りを縮小しています。生損保は前週の432億円の売り越しから19億円の買い越しに転じており、都銀・地銀も売越額が同216億円から同84億円に減少しています。需給面で売り勢力は後退しつつあるように思います。
前述のように市場はまだ不安定ですが、今週から決算発表が本格化します。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、好決算ものは狙い目でしょう。ただ決算プレーは織り込んでいないものを一気に織り込む動きですから、短期勝負が基本。長くは持たないようにしてください。
なお次週号と5月8、15日号はお休みさせていただきます。

2017年4月17日号

底入れは近いように見えるが・・・

先週、日経平均株価は4日続落し年初来安値を更新しました。終値は18335円で週間の下落幅は329円(1.76%)。3月13日の高値(19663円)からは1328円(6.75%)の下落で、昨年末からは779円(4.08%)の下落となります。米軍によるシリアへの大規模ミサイル攻撃や北朝鮮情勢の緊迫化、米軍のアフガニスタンへの超大型爆弾の史上初の投下などで地政学リスクが高まり、投資家心理が悪化しました。トランプ大統領の経済政策を巡る不透明感も重荷となっています。
先々週末時点では底入れした可能性もあったのですが、先週の下げでそれが打ち消されました。日経平均の5日線、20日線、60日線がすべて下向きに変わっているので、下値模索の動きになったとみていいでしょう。
ただ今回の下げについてはそう心配していません。株価が下落する局面では売りが増え売買代金が膨らむものですが、そんな感じの下げではないこと。地合い悪化で買い物が引っ込み、売りがこなせず下げが大きくなったような下げでした。騰落レシオは売られすぎとされる80%を下回る69.06%まで低下しており、テクニカル的には底値近辺まで来ています。空売り比率も45.2%と昨年6月の47%以来、史上2番目の水準まで上昇していました。これは売買高の45%以上が空売りだったということで、異常な水準です。こうした短期の空売りは早晩、買い戻しを迫られます。そして値下がり銘柄数の異常な多さ。4月6日は東証1部の95%以上の1919銘柄が値下がりしていました。アベノミクス相場が始まってこれほど値下がり銘柄が出たのはこれまで5回ありましたが、その5回ともそこが底(直近では昨年6月のBrexit時と11月のトランプショック時)でした。
こんなに下落しているのに新安値更新銘柄は増えていません。ザラ場安値が18532円だった4月6日の年初来安値銘柄数は644、同18460円だった4月12日は487、同18304円だった4月13日は633、同18285円だった先週末は450にとどまっていました。耐性が付きつつあるということです。
市場心理は悪化したままですが、大底圏でしか見られない現象がここまで揃ったら、底入れは近いとみるべきではないかと思います。ただ新たな売り材料が出たら下抜けしかねない状況であることは念頭には入れておいてください。

今週も様子見スタンスで


外国人は4月第1週(3日~7日)に8週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は908億円。外国人はそれまで累計1兆1634億円売り越していました。売越額が3月第4週の3741億円から第5週は549億円と大きく減少してからの買い越しですから、日本株売りは峠を越えた可能性が強まってきました。外国人が買ってきたのに第1週に日経平均が245円も下落したのは、銀行など国内の金融機関が新年度入りで益出しに動いたからだとみられます。マイナス金利導入で債券で売買差益を稼げにくくなったため、国内機関投資家は含み益のある株式を期初に売って利益を確保するようになったと云われています。第2週は地政学リスクの高まりから外国人が再度売ってきた可能性はありますが、そのうち止むのではとみています。
前述のように市場はまだ不安定です。来週から決算発表が始まりますので、それまでは無理する必要はないとみています。今週も様子見でいいと思います。

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